南アフリカは、推奨される予防接種が他国に比べ多い国です。駐在員はもちろん、帯同する妻、子女(子ども)も予防接種が必要なので、スケジュールを上手に組んでいかないといけません。
そもそも、どのワクチンを打つべきなのかも悩ましいですよね。
今回は、南アフリカで暮らすにあたり行った、我が家の予防接種の記録を残しておきます。
- 海外赴任のための予防接種はどう決める?
- 子どもが1歳以下の場合の海外赴任ワクチンは?
- 南アフリカ渡航・赴任に必要な予防接種
- 南アフリカ渡航・赴任に必要!?黄熱病ワクチン
- 南アフリカ渡航・赴任前に打った予防接種:7本+11本
- 南アフリカ渡航・赴任前の予防接種スケジュール
- 海外渡航・赴任前の予防接種を受けたクリニック
- 海外渡航・赴任に向けた予防接種の費用
海外赴任のための予防接種はどう決める?
まず、海外渡航・赴任にあたり必要な予防接種を、決めるところから始まります。多くの場合は、企業からのおすすめはリストアップされた資料を参考にします。それが無い場合は、外務省のHP、トラベルクリニックのHPなどを参考にしましょう。
トラベルクリニックでは、どの予防接種が必要か医師に相談ができるので、まずは渡航先に国を伝えて予約することをおすすめします。我が家では、医師に相談しつつ、企業からのおすすめ予防接種を網羅した形です。
トラベルクリニックの選び方は、家や職場から近い通いやすいことが必須条件です。予防接種は1回では終わらず、何度も通う必要があるからです。子どもの予防接種は、一部普通の小児科でも受けられますが、予防接種全体のスケジュールもあるので、子どももトラベルクリニックでの予防接種がおすすめです。ただ、念のため我が家はかかりつけの医師にも「このような予防接種を受ける予定ですが、どうでしょう」ということは相談しておきました。トラベルクリニックの医師ではなくても、医師としての知識を教えてくれました。
また、企業によっては予防接種の費用負担に上限があります。(多くの企業では全額支払ってくれます)その場合は、クリニックによって費用が違うので、比較してから選ぶと良いでしょう。
【海外赴任のための予防接種の決め方まとめ】
・情報収集:企業の推奨ワクチン、外務省HP、トラベルクリニックに相談
・クリニックの決め方:通いやすさ、値段
子どもが1歳以下の場合の海外赴任ワクチンは?
日本では、生後2か月から予防接種が始まり、1歳になるまでにたくさんの種類の予防接種を受けるのが一般的ですね。1歳以下で海外赴任についていく場合は、このあたりが気になりますね。
赴任先である南アフリカの場合は、外務省のHPで「小児は、日本で受けられる全ての予防接種(BCG、四種混合、麻疹、風疹、水痘、Hib、小児肺炎球菌、ロタウイルス、おたふく風邪)を受けてくること」が強く勧められていたので、できるだけ多く日本での予防接種を済ませておこうと思いました。そのため、海外渡航のタイミングには、子どもが1歳ちょっとのときです。これは、赴任先によっても選択が変わると思います。
日本では、1歳になってからも、MR(麻しん風しん混合)、おたふくかぜ、水痘、ヒブ(4回目)、小児用肺炎球菌(4回目)、四種混合(4回目)、水痘(2回目)などの予防接種が推奨されています。なので、1歳になる前から、かかりつけの小児科の医師に海外渡航の事情を相談をしていました。そして、我が子の場合は、先倒しでいくつか予防接種をしてもらうことができました。追加接種は渡航先で行うことにして出発しました。まずは、かかりつけの医師への相談がおすすめです。
もちろん、多くの海外赴任をしても渡航先の小児科で子どもの予防接種をしてもらうことは可能です。実際には現地で出産する駐在妻もいるので、そのあたりは大丈夫といえば大丈夫!
ただ、慣れない英語の対応は大変ですし、1歳以下で予防接種が頻繁な場合は、通う手間もあります。
南アフリカ渡航・赴任に必要な予防接種
ここからは南アフリカ渡航・赴任のための予防接種について。まず、南アフリカ入国に際し、義務付けられている予防接種はありません。そのため、南アフリカに旅行やバックパッカー旅で来る人々は予防接種をしていないことが多いと思います。また、予防接種は高額です。例えば狂犬病は1万5000円、黄熱病ワクチンは1万円ちょっとします。なので、いくつも打つとなるとあっという間に5~10万円を超えます。
南アフリカに旅行やバックパッカー旅で来る人々は、その値段からも予防接種を省いてしまうのだと思います。しかし、周辺国へ旅する場合は、事項でご紹介する黄熱病ワクチンは義務になるので注意が必要です。
南アフリカで暮らす場合には、万が一かかってしまうリスクを考えて予防接種を打った方が良いと判断しました。
【日本政府から推奨される予防接種】
成人:A型肝炎、B型肝炎、破傷風、腸チフスなど。また、麻疹の集団発生が散発しており、麻疹に感染歴がなければ麻疹抗体価を調べ、結果に応じて麻疹ワクチンを接種してください。
小児:日本で受けられる全ての予防接種(BCG、四種混合、麻疹、風疹、水痘、Hib、小児肺炎球菌、ロタウイルス、おたふく風邪)を受けてくることを強く勧めます。その他推奨する予防接種は、A型肝炎ワクチン、B型肝炎ワクチン、腸チフスです。
ちなみに麻疹については2023年になってからも南アフリカで流行しているらしく、我が子の通う幼稚園では追加接種を推奨されました。
南アフリカ渡航・赴任に必要!?黄熱病ワクチン
外務省HPによると、南アフリカ政府は黄熱病の感染リスクのある国からの渡航者、その空港に12時間以上立ち寄った渡航者には、黄熱病予防接種証明書の提示を求めるとのことです。黄熱病予防接種証明書は、Yelllow card(イエローカード)と呼ばれています。
【南アフリカが黄熱感染リスク国と位置づけている国々】
(アフリカ)アンゴラ共和国、ベナン共和国、ブルキナファソ、ブルンジ共和国、カメルーン共和国、中央アフリカ共和国、チャド共和国、コンゴ共和国、コートジボワール共和国、コンゴ民主共和国、赤道ギニア共和国、エチオピア連邦民主共和国、ガボン共和国、ガンビア共和国、ガーナ共和国、ギニア共和国、ギニアビサウ共和国、ケニア共和国、リベリア共和国、マリ共和国、モーリタニア・イスラム共和国、ニジェール共和国、ナイジェリア連邦共和国、セネガル共和国、シエラレオネ共和国、南スーダン共和国、スーダン共和国、トーゴ共和国、ウガンダ共和国
(南米)アルゼンチン共和国、ボリビア多民族国、ブラジル連邦共和国、コロンビア共和国、エクアドル共和国、仏領ガイアナ、ガイアナ共和国、パナマ共和国、パラグアイ共和国、ペルー共和国、スリナム共和国、トリニダード・トバゴ共和国、ベネズエラ・ボリバル共和国
出張や旅行でこれらの国を訪れる場合には、イエローカードの携帯が必要です。我が家はこれらの国に行く予定はわからなかったのですが、会社からの推奨を参考に黄熱病ワクチンも接種しました。
黄熱病ワクチンは都内でも数カ所しか受けられず、やや面倒な予防接種です。以下が黄熱病ワクチンの扱いの病院・施設です。
・東京検疫所(お台場の方面)
・成田空港検疫所
・独立行政法人国立国際医療研究センター病院 トラベルクリニック(西早稲田駅)
・ 公益財団法人日本検疫衛生協会 東京診療所(東京駅)
私たちは、新宿にある東京医科大学病院(渡航者医療センター)で接種しました。
南アフリカ渡航・赴任前に打った予防接種:7本+11本
いろいろ参考にし、我が家で打った予防接種は以下の通りです。
【子ども】
種類:5種類
接種本数:7本
通院回数:4回(うち1回は黄熱病のため新宿にある大学病院)
B型肝炎、麻疹・風疹は受けてまだ数年だったので、無しで良いという医師の判断でした。また、狂犬病(初回)とA型肝炎の2本を打った翌日に発熱。初予防接種の日でした。あとは接種回数が多すぎて、子どもがどんどん注射嫌いになっていきました。笑
【帯同妻(私)】
◎A型肝炎
◎B型肝炎(2回接種、抗体検査したらなかった!)
◎破傷風
◎狂犬病(3回接種)
◎麻疹、風疹
◎腸チフス
◎髄膜炎
◎ポリオ
種類:8種類
接種本数:11本
通院回数:5回
私は前回の海外赴任帯同時に黄熱病のワクチンを受けていたので、今回はなし。それを加えたら12本!南アフリカ渡航の予防接種の数はすごいですね。発熱は一度もありませんでした。ただ髄膜炎のワクチンがすごい痛かったのを覚えています。
ちなみに、腸チフス、ポリオは、最初に予防接種のスケジュールをたてる際に医師から「南アフリカのヨハネスブルグなら要らないけどねぇ」と言われました。(素直に教えてくれる方でした)
確かに、腸チフスは衛生水準の低い国でかかるものとされています。南アフリカ・ヨハネスブルグは衛生水準が高いので、リスクは低そうです。
ポリオは、発生国に渡航する際は追加の予防接種が外務省HPで推奨されていますが、当時も現在(2023年01月21日)も南アフリカは含まれていません。
なので、このあたりは予防接種本数を減らしたい場合は、打たなくても良いという判断もできます。
南アフリカ渡航・赴任前の予防接種スケジュール
子どもの予防接種を始めたのは渡航予定の3ヶ月前。この時、まだ仕事をしていたので、スケジュール調整が大変だったのを覚えています。
子どもたちは保育園に通っていたので、その当日は早退もしくは休みにし、翌日も熱が出たら休み。さらにコロナ渦だったので、解熱後24時間は登園できず、兄弟も登園できませんでした。
予防接種はとにかくスケジュール管理が鍵です!何を同時に打つかは、医師(看護師)のおすすめに従いました。そして、それぞれぴったり何週間後と指定されるので自動的にスケジュールはがちがちに固まります。そこから仕事の調整です。
海外渡航・赴任前の予防接種を受けたクリニック
南アフリカ渡航前の予防接種は、有楽町にある「日比谷クリニック」で受けました。クリーンでスタッフの方の対応がとても丁寧。小児科のおじさま先生の雰囲気も素晴らしく良かったです。
コロナで空いていて待ち時間がほとんどありませんでした。私だけ接種のときは30分程度で済みました。2023年現在は海外渡航者が増えているので、おそらく混んでいると思います。
ちなみに予防接種とは別に、VISA申請のための健診が必要で、それも日比谷クリニックで行いました。海外留学のための診断書もこちらもクリニックは対応しています。
海外渡航・赴任に向けた予防接種の費用
予防接種は、7本+11本だったので10万は余裕で超えました。20万円近かった記憶です。多くの企業では、予防接種代金は会社持ちだと思います。領収書をもらい、経理の方に処理してもらう流れが一般的です。
「南アフリカで起業する!」など、企業からの援助なしの場合はなかなかの出費です。予防接種って高いんです。でも、健康を守るため、ときには命を守るためのものなので、削ってはいけない出費ですね。
以上が、我が家の南アフリカ渡航・赴任前に打った予防接種についてでした。南アフリカは義務になっているワクチンは少なく、個人で選択ができます。いろいろな情報を集めて、自分に必要なものを接種するのがおすすめです。
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