気ままにヨハネスブルグ駐在妻

ヨハネスブルグ駐在妻のあれこれ

【最新】犯罪増加と日本人被害−南アフリカの危険性

私たちが住んでいる南アフリカは、世界最恐と言われるほど治安が悪い国です。どのくらい悪いかというと、「日本人が昼間に道を歩いていたらボコボコにされ所持品全部奪われた」という事件が、2024年1月に3件も報告されているほど。

 

在南アフリカ共和国日本国大使館の発表によると、2023 年度第2四半期(2023.7~2023.9)の犯罪発生件数は前年同時期と比べてさらに増加。殺人未遂、強盗等の凶悪な犯罪が増えているそうです。

 

本記事では、最近起きた南アフリカの犯罪、日本人被害について解説。現地で暮らす筆者が安全対策についてもご紹介します。

南アフリカは危険!多数の日本人被害

南アフリカヨハネスブルグは世界的に見ても治安が悪い地域です。外務省からは危険情報が出ています。

 

【危険度レベル2:不要不急の渡航は止めて下さい。】

ヨハネスブルグ市、ツワネ市(旧プレトリア)及びダーバン市の各CBD(CENTRAL BUSINESS DISTRICT)およびその周辺

【危険度レベル1:十分注意してください】

ケープタウン、上記及びを除くその他全土

 

在南アフリカ共和国日本国大使館のHPにある、ここ数ヶ月の日本人被害をまとめてみました。

2023年11月

【強盗】午後7時頃、運転手と共に高速道路を走行中、サイレンを鳴らした車から停車を求められた。偽警察に男3名に手首を結束バンドで拘束され車内に拉致。連れ回されたあと見知らぬ場所で降ろされ、クレジットカードの暗証番号を教えるよう強要。所持品すべて強奪。(高速道路N3)

 

【強盗未遂】午前7時頃、車で出勤中の信号待ちで、窓越しに銃口をつきつけられた。(ヨハネスブルグ・サントン地区)

 

2023年12月

【強盗】午後8時、田舎街を徒歩で移動中に、2人組に後ろから首を絞められ地面におさえつけられ所持品を奪われた。抵抗した際にナイフで切りつけられ軽傷。(ムプラマンガ州ネルスプロイト市)

 

【強盗】午前11時頃、モールの銀行の外ATM付近で銀行職員を装った男に声をかけられる。操作を指示された結果、カードを奪われた。すぐに停止させたがR20,000(約16万円)が不正利用された。(プレトリア

 

【強盗】午後7時頃、ORタンボ国際空港から帰宅する途中、高速下にて偽の警察官に停車を求められ車内を物色された。現金を不当な理由で没収しようとしたが反論。結果的に現金計1万5000円程度を盗られていた。(R24道路からN12高速道路)

 

【強盗】日本人旅行者が徒歩で移動中、背後から首を絞められ、気を失っている間に所持品強奪。(ヨハネスブルグCBD)

 

2024年1月

【強盗】午後2時頃、日本人旅行者が徒歩で移動中、3〜4組に背後から首を締められ、意識を失っている間に所持品強奪。(ヨハネスブルグCBD)

 

【強盗】午前11時頃、日本人旅行者が歩いていたら、4人組に所持品強奪。(ツワネ市)

 

【強盗】午後4時頃、日本人がホテルに徒歩で移動中、ナイフを持った男2人組に前後から挟まれ所持品強奪。(ダーバンCBD)

 

【強盗】午後1時頃、配車サービスBoltを利用中、開いていた車窓から手を入れられかばん強奪。(プレトリア

 

2024年2月

【強盗未遂】午後2時頃、家族5人で旅行中の日本人がファーストフード店のセルフレジを使っていたところ不審な男に指示され、カードを取られた。大声をあげたところ取り返せた(ヨハネスブルグ南部)

 

【強盗】正午頃、日本人がフィールドでスポーツ試合中、車が盗まれた。(ヨハネスブルグ

 

車に拉致された、首を締められ意識を失った、銃をつきつけられた・・・など想像するだけで恐ろしいですね。

 

これらの事件の犯罪者は、貧困層の黒人です。体格が弱々しく、高価なもの(スマホ!)を持っているであろうアジア人は高確率でターゲットにされます。

 

ここでご紹介したのは、日本人が巻き込まれた事件のほんの一部です。中には大使館に報告されていない事案も多数あります。

 

さらに、日本人という括りをなくせば南アフリカの事件の数は数十倍に増えます。

南アフリカで犯罪増加中!警察による詐欺事件

南アフリカでは、偽警察による詐欺事件も増えているようです。大使館からもこのような注意喚起の連絡がありました。

 

<スクール・ガール詐欺>

男性運転手をターゲットにした詐欺事件。

10代の女子学生が近寄り、「携帯が使えないから貸してほしい」など近寄り、助手席に座ってくる。女子学生が「誘拐!襲われる!」などと叫び、偽警察がR3000(2万4000円程度)で示談するから支払えなどと脅迫する。

 

日本の痴漢冤罪に、やや似た手口です。違うのは偽警察という点。日本だったら「警察官がその場でお金を要求して開放してくれるなんてありえない」と感じますが、南アフリカでは本物の警察でもやりかねません。

 

日本人にとって2万4000円は絶妙な金額ですね。これで誤解が解けるならと支払ってしまう日本人は多そうです。

 

<レイプ冤罪詐欺>

南アフリカ在住の日本人が体験した事件。警察を名乗る電話があり「レイプ容疑をかけられている、逮捕されたくなければR50000を口座に振り込め」といった内容。名前を把握していたそうです。

 

日本だったら、「口座に振り込めば逮捕無し」なんて信じられませんが、これも南アフリカならやや信じてしまいそうです。電話での詐欺だったので、着信拒否のみで事件は終わったそう。

 

この件で怖いなと思ったのは、名前を把握していた点。大使館からの連絡には、FreeWifiに気をつけてとありましたが、現地の従業員、メイドさんが漏らしている可能性も十分にあると思います。信じたいけれど、お金に困っている彼らは何をするかわかりません。

南アフリカでは本物の警察も危険!

南アフリカでは驚くことに、本物の警察も味方ではありません。実際に、交通警察にいちゃもんをつけられてお金をせびられたことが何度もあります。「開放してくれないので払った」という日本人駐在員も少なくありません。

 

大使館からも、「警察官から、過去に未払いの交通違反があると支払いを要求された事案が発生した」という旨の連絡が来ています。

 

南アフリカヨハネスブルグで暮らしていると、このようなことは日常茶飯事です。警察だから助けてくれるなんてことはありません。

 

理由は、警察官であってもお金に困っているからです。

 

Indeedによると南アフリカ・ハウテン州の警察の平均月給はR 15,788(約12万6,000円)とのこと。(交番勤務など)

 

非常に低く感じますが、それでも国の平均より12%上回るそうです。

(※Indeedは日本でも求人サイトとして有名ですが元はアメリカのもの)

How much do Gauteng police earn? Average South African Police Service Police Officer monthly pay in Gauteng is approximately R 15 788, which is 12% above the national average.

 

南アフリカでは、警察官であってもお金を稼いで自分たちの生活を守ることに必死なのです。彼らは恐喝までいかない範囲で、ちょこちょこお小遣いを稼いでいます。

南アフリカで安全に過ごすには?

南アフリカはイメージ通り、治安が悪い国だということはおわかりいただけたかと思います。

 

私たち海外駐在員は安全に暮らすために、治安の悪いCBD地区には行かず、安全だと言われる地域であっても道をほぼ歩きません。車を運転中には、どんなに暑くても窓を閉めています。

 

↓他にもたくさん気をつけていることがあります。

冒頭に紹介した事件のいくつかは、旅行者が被害に遭ったものです。外務省からは南アフリカへの渡航を止めるよう注意喚起がされているのに、日本人旅行者が度々強盗に遭っているニュースが飛び込んでくると、本当に驚きます。

 

正直、スマホで「世界最恐の国に来た!」とSNS撮影でもしてたんでは?と思ってしまいます。1台奪えば数ヶ月暮らせるお金になるスマホを見せびらかすなんて、命知らずです。

 

もし南アフリカへの旅を検討していて、この記事にたどり着いたのであれば、危ない地域は避け、短い距離であっても徒歩では移動しないことおすすめします。

 

お金がないアピールで汚い服を着るなどの安全対策をしても全く意味がありません。なぜなら南アフリカではアジア人というだけで、非常に目立つからです。そしてチョロい存在です。

 

危ない地域では、襲われたときに警報ブザーを鳴らしても正直誰も助けてくれません。

 

南アフリカで安全に過ごすには、とにかく危ない地域に行かないことです。海外駐在員の多い安全な地域にいても、事件に巻き込まれるのですから。

 

南アフリカの犯罪増加と日本人被害についてまとめてみましたが、南アフリカ自体はとても素晴らしい国です!(この記事ではイメージ最悪ですね・・・)もし南アフリカの魅力に触れたいのならば、安全に120%配慮して旅をしてみてください。