気ままにヨハネスブルグ駐在妻

ヨハネスブルグ駐在妻のあれこれ

「海外駐在員はエリートで出世コース」を妄信してはいけない

海外駐在員に選ばれた人はエリートである、出世コースであるというイメージがあると思います。実際はどうなのでしょうか。

 

本記事では、2回の海外赴任を経験している筆者が、海外駐在員はエリートなのか出世コースなのかどうか解説していきます。海外赴任を目指す方は、ぜひ参考にしてみてください。

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海外駐在員はエリート?出世コース?

結論から言うと、海外駐在員はエリートだと言えます。しかし、出世コースとは限りません。どういうことなのか詳しく解説していきます。

 

・海外駐在員はエリートである

まず日本語のエリートは、フランス語:élite、英語ではeliteから来ています。意味は、選ばれた者、社会や集団の中で優秀とされる人間のことです。

 

海外駐在員は企業から「この国で数年間働いてこい」と重大な仕事を任された人です。つまり、エリートだと言って良さそうですね。海外駐在員に選ばれたら「自分はエリートだ!」とぜひ自信を持ってください。

 

・海外駐在員は出世コースとは限らない

しかし、海外駐在員が出世コースがどうかというと、一概には言えません。「海外駐在から帰ったら役職が用意されている」なんていうのは、昔の話です。今60代の上司から話を聞くと、本当にあったようですね。

 

しかし今は、海外駐在を経験しても40代、50代で役職のない人もたくさんいます。私も20代で初めて海外駐在員に選ばれたときには「出世コースだ!」と興奮しましたが、現実は甘くありません。

 

海外赴任に選ばれる=エリートですが、出世が約束されたわけではないことは覚えておきましょう。総合商社であってもメーカーであってもそれは同じです。

 

海外駐在員の間は手当などで一時的に年収・給与が上がりますが、その後出世できるかどうかは実力次第だと言えます。

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海外駐在員で出世する人、しない人

海外駐在で出世する人と出世しない人は、実力の他にも以下によって変わってきます。

①勤めている企業

②海外駐在員になる年齢

③赴任する国

 

①勤めている企業

まず世界中に拠点のあるグローバルな企業では、海外駐在員は出世コースの王道です。将来的に、それぞれの国の経営を任せる人材を育てないといけないからです。

 

一方、海外事業にあまり力を入れていない、海外での売上が少ない会社の場合は、必ずしも海外赴任が出世コースというわけではありません。

 

初めてその国に駐在員をおくという企業の場合は、出世するかどうかはあなたの実力次第です。数名の海外駐在員が来て撤退していった企業も見てきました。

 

反対に、あなたの力で駐在国で事業が拡大したなら、間違いなく出世できるでしょう。

 

②海外駐在員になる年齢

若手〜中堅の期間に海外赴任に選ばれたら、期待をされていると思って良いでしょう。将来的に企業の利益に繋がる人材だと人事部は考えています。経営層や幹部層を見ても、決まって若い頃に海外駐在を経験していますね。

 

反対に30代になってもなかなか海外駐在員に選ばれない場合は、上司もしくは人事部の中で何か引っかかる点があるのかもしれません。

 

出世コースを目指すなら、積極的に海外に出たい意思を示し、交渉力や英語力などの実力もどんどんアピールしていきましょう。

 

③赴任する国

赴任する国によっても、出世のしやすさが変わってくると考えられます。

 

世界中に拠点のあるグローバル企業の場合は、赴任国が企業にとって重要な国かどうかが指標です。大きな利益が見込める国を、頼りない社員に任せるわけがありません。

 

将来的に幹部になってほしい人材には、あえて日本人駐在員の少ない国で新規開拓をやらせたりすることもあるでしょう。事業規模の小さな国のほうが、20代・30代で経営層として仕事を任せやすいというのもあります。

 

ただし、企業から「重要な国だから」と言われることはありません。海外駐在員に選ばれたら、なんとなく「今うちの会社はアフリカに力を入れているから、アフリカ駐在は期待されているのかな」と予想することしかできません。

 

企業にとって重要な国で結果を残せれば、出世する確率は高まります。

海外駐在員における出世コース 〜ケース①〜

海外駐在員における出世コースとはどのようなものなのでしょう。

 

王道の出世コースは、20代〜35歳くらいまでに海外赴任を経験し、本帰国後35〜45歳くらいまでに課長職。そして、再び他の国に海外赴任するか、そのまま国内で働き部長、本部長へと昇進。

 

従来は、海外駐在員が出世コースを目指すなら、同じルートを歩んできた元海外駐在員の上司の背中を追うのが一番てっとり早い方法でした。上司に気に入られるように生き、その上司が昇進すれば将来が約束されたようなものでした。

 

海外駐在員になって帰ってくれば誰でも役職につけるという企業もあったと思います。実際に50代、60代の上司の中には「それだけで出世したな」と感じる人もいます。

 

しかし、これからの時代は違うと思います。企業は年功序列組織から実力主義組織に変革を目指しています。そうでないと、勝ち残っていけないからです。

 

「海外駐在員を経験し40代になったから役職がつく」もしくは「信頼関係を築いた上司が出世したから引き上げてもらえる」ということはなくなっていきます。

 

では、海外駐在員に選ばれ出世コースに乗るのはどうしたら良いのか。答えは、海外駐在員に選ばれたことで満足して終わるのではなく、ここから実力を試されるのだと思って仕事に全力を注ぐこと。

 

実力主義組織に変革を遂げようとしている企業で出世するのは、それしかありません。

 

接待をして評価される海外駐在員の時代は終わりました。海外駐在員になったからと緩い生活を満喫していると、帰国後苦しい事態が待っています。

海外駐在員における出世コース 〜ケース②〜

海外駐在をして本帰国のタイミングで、転職する方、退職し起業をする方も多くいます。

 

海外駐在直後は転職のチャンスです。市場価値が高まっています。現地で経営ポジションを経験したなら尚更です。

 

年収・給与アップを狙うなら転職も視野にいれるのがおすすめです。同じ業界内で転職に成功し、年収が300万円もアップした知人もいます。

 

海外経験があると、転職活動では強みになります。自分の市場価値を試すために転職サイトに登録してみるのも良いでしょう。

 

また、退職し起業を志す方もいます。駐在国で経営のノウハウが身につけば、起業のハードルも下がります。

 

私の知人は海外生活を送ったことで、会社員としての生き方に疑問を持ったそうです。彼は家族との時間をより取れるように自営業の道を選びました。

 

海外駐在員が出世するには、転職や起業という選択肢もあります。数年海外で働き本帰国が決まったときには、社内で出世を目指すから、新たな世界にチャンレジしてみるか考えてみるチャンスです。

◎まとめ

海外駐在員はエリートで出世コースだと言われていますね。

 

確かに海外駐在員は選ばれし者(=エリート)だと思います。企業から期待されていることは間違いありません。胸を張って良いでしょう。

 

しかし、海外駐在員に選ばれたから出世するというわけではありません。海外駐在員→帰国後の役職がつくというのは、一昔前の話。今後はどの企業もますます実力主義になっていきます。

 

反対に、海外赴任中の仕事ぶりや成果が評価されると、間違いなく出世コースに乗れます。そのためには表面上ではない努力が必要だと思います。

 

海外駐在員を目指す方、海外赴任が決まった方はぜひ参考にしてみてください。