【在住者目線】南アフリカ・ヨハネスブルグの治安と駐在妻が気をつけるべきこと
南アフリカ・ヨハネスブルグ在住の駐在妻です。南アフリカに旦那さんの駐在が決まった時、一番心配なのは「治安」ではないでしょうか。
南アフリカは治安が悪いイメージがあるので、不安を抱える人もいるはずです。私もここに来る前はとにかく不安でした。日本の家族もとても心配していました。
そこで今回は、在住者による南アフリカ・ヨハネスブルグのリアルな治安の悪さ、気をつけるべきことをお伝えします。
- 南アフリカ・ヨハネスブルグの治安は悪い!
- 南アフリカ・ヨハネスブルグの在住者が感じるリアルな治安
- 南アフリカの治安が悪い理由
- 南アフリカ・ヨハネスブルグ生活で駐在妻が気をつけるべきこと
- 南アフリカ・ヨハネスブルグの治安は対策が大事!
南アフリカ・ヨハネスブルグの治安は悪い!
まず、南アフリカの治安は悪いかどうかにお答えすると世界的に見ても「治安が悪い」と言えます。泥酔して寝ていても、命が無事で、レイプもされず、財布すらとられない、平和すぎる日本に比べたら、「信じられないほど治安が悪い」でしょう。
2022年2月15日に出されている外務省の資料では、南アフリカのヨハネスブルグ、プレトリア、ケープタウン及びダーバンは、【危険度レベル1:十分注意してください。】と示されています。
その中では、以下の3つがまとめられていました。
①殺人、強盗、傷害等の凶悪犯罪が高水準で発生している
②空港、ショッピングモール等からの追尾強盗、カージャック、偽パトカーによる強盗被害も多く発生
③各都市のセントラル地区(CENTRAL BUSINESS DISTRICT(CBD地区))では銃器を使用した強盗が多発していますので、徒歩移動は控えること
殺人や強盗が非常によく起きているのは事実です。そして頻繁に「Kidnapping(誘拐)」も起きています。
johannesburg-life.hatenadiary.jp
『地球の歩き方 2018~2019』にも、危険情報として以下の内容が掲載されています。
正直にいって、南部アフリカは安全なところとはいえない。南部アフリカの都市では、強盗に遭う可能性は非常に高く、滞在中は同等に遭うことを前提に行動してほしい。
襲われたら最後、助けはないと思ったほうがいい。
ヨハネスブルグで出歩くのなら、暴行されたうえ金品を巻き上げられるか、また女性ならレイプされ、最悪は殺される覚悟が必要だ。
ちょっと・・・。旅行をおすすめするガイドブックなのに・・・これ書いた人すごいですね。まぁそれくらい書かないと、バックパッカーが迂闊にカメラを出しながら道を歩いてしまうということなのでしょう。
南アフリカのヨハネスブルグ、プレトリア、ケープタウン、ダーバンが同じ危険度で示されていますが、犯罪率はヨハネスブルグがズバ抜けています。
johannesburg-life.hatenadiary.jp
|
南アフリカ・ヨハネスブルグの在住者が感じるリアルな治安
このような国やガイドブックの情報、一部のYoutuberなどの過剰な演出により、「ヨハネスブルは生きて帰れないほど治安が悪い!」とイメージを持ってしまうかもしれません。
でも、実際に駐在員が暮らす地域は整ってて、治安の悪さを忘れてしまうほど快適で暮らしやすいです。
昼は駐在妻だけでランチをしていますし、夜の会食もごく普通に開催されてます。夫の深夜12時帰宅もそう珍しくありません。家から出てはいけない、夜は一生お出掛けできないなんてことはありません。
◎南アフリカの治安イメージ↓
・家から出ない方が良い
・一人行動は危険
・女性だけでお出かけNG
・夜遊びは絶対できない
◎南アフリカの治安の現実
・女性一人で出掛けられる(車は必須)
・女性だけでランチに行ける
・夜の会食も開催されている
・女性だけでUberに乗れる
・夜遊びは安全に気をつければできる
ただ、車移動を徹底し道を歩かないなど、安全に暮らすルールはあります。(ただし、車の盗難も頻発しています。鍵をかけていても盗まれます!)
南アフリカ・ヨハネスブルグの暮らしは、防犯意識を高く持つことが大切です。
|
南アフリカの治安が悪い理由
なぜ南アフリカはこんなに治安が悪いのか。それは、南アフリカの貧富の差が激しいことが一番の原因です。
一部のお金持ちは不動産を有し、高級車を何台も持っている裕福な暮らしをしています。
一方で、失業率は約40%と非常に高く、社会問題になっています。3~4人に1人は仕事が無い状況です。
私が住んでいるところはヨハネスブルグの中心で都会な雰囲気ですが、道路にはいたるところに物乞いがいます。
彼らの中にはメッセージを書いた段ボールを持っている人もいて、「仕事がないです」「病気で仕事がなくなり困っています」「子どものご飯がないです」などと書かれています。
仕事がないから、生きていくためのお金のために強盗や殺人が起こりやすいのです。
日本にいると「じゃぁ働けばいいのに」と思うかもしれませんが、貧困層に生まれた人は学がありません。20以上の数字がパッとでてこない、簡単な暗算すら出来ない人がたくさんいます。
自家用車などない家庭に育っているので、もちろん運転もできません。
そもそも彼らの第一言語は「英語」ではありません。(南アフリカには11個の公用語があります!)実際に、レストランの清掃員で英語が全く分からない若者に会ったことがあります。
となると、できる仕事は本当に限られていますよね。
そこで犯罪に手を染めてしまう人はかなりの数いるのだと思います。悲しいことですが・・・。
南アフリカ・ヨハネスブルグ生活で駐在妻が気をつけるべきこと
南アフリカ全体の中でも、都市であるヨハネスブルグは治安が悪い地域です。
その中でも、出来るだけ安全に暮らすのはどうしたら良いのか。私なりにまとめてみました。
①治安の悪い場所を知る&避ける
お出かけの際に治安の悪い場所を車で通らないようにしましょう。
駐在員は比較的安全なエリアに住んでいますが、Googleの案内に従うと危ないエリアに入ってしまうこともるので注意が必要です。
避けるべきエリア第一位は「アレクサンドラ(Alexandra)」です。
南アフリカのニュースでも、昨年度犯罪率が一番高かったとされる貧困層エリアです。
第二位は「マルボロ(Marlboro)」です。アレクサンドラに近い地域。
特に気を付けたいのが、高速道路の入り口。カージャックなどが頻発しています。
避けにくいルートではありますが、駐在妻1人では通らない工夫をすると良いでしょう。
第三位「セントラル地区(CENTRAL BUSINESS DISTRICT(CBD地区))」です。
外務省からのお知らせである通り、たびたび観光客が襲われています。
車で通ったことはありますが、雑多な感じで、いろいろな人がいます。子どもの遊び場も結構あるのですが、CBDに近いところは避けています。
Youtuberがレポートするのもここの地区です。バックパッカー的な方もセントラルの雰囲気を味わいにいくようですが、実際に襲われています。
在住者からすると、旅行者感丸出しのアジア人がいれば、そりゃそうよ・・・・という感じ。
第四位「チャイナタウン(Chine Town)」です。
実際には、よく行くのですが・・・あまり治安が良くないことを念頭に置いておきましょう。
第一位の「アレクサンドラ」は絶対辞めておいた方が良いですが、(貧困層住居エリアなので目的もないですし)第二位以降は、駐在員でも訪れることがあると思います。
ただ、一人で行かない、女性だけでいかない、車の中でもスマホを見せない、普段の生活以上に気をつけて行動するなどを意識すると良いかなと思います。
また、これは2022年時点での状況。治安が悪い場所は移り変わる可能性もあります。情報を常にキャッチして、「最近はここが治安悪い」という場所を把握して避けていけるといいですね。
②道を歩かない
ヨハネスブルグ駐在員は、基本的に車で移動しています。
場所によっては道を歩いても問題ないところもあります。ランニング&お散歩ルートになっていたり、高級住宅街付近で常に警備が巡回していたり。
でも、だから絶対に大丈夫という保証はありません。安全を確保したいので、長距離は歩かないようにしています。
ちなみに比較的安全に歩けるエリアも存在しますよ。(ローズバング、メルローズアーチ)
③運転に120 %気をつける
ヨハネスブルグに暮らしていて、殺人や強盗よりもよく耳にする&目にするのが交通事故です。
月に数回は必ず見ています。ぐちゃぐちゃに崩壊したバンを見たことも、一度ではありません。
基本的にルールを守る車が多いですが、中にはひどい車も・・・。
特に気をつけたいのが、「白いバン」です。
これは乗り合いタクシーで、交通ルールは全部無視です!
赤信号でも進んできますし、合図なしで車線変更、急停車、割り込み、バックなどしてきます。実際にぶつかりそうになったことが何度もあります・・・。(怖すぎる)
白バンが前にいたら、距離をとることをおすすめします。
運転手はマフィアとの噂もあるので(南アフリカ人も言っていた)、絶対に事故りたくないですね。割り込みは当たり前なので、私はいつも譲ってます。
あとは作業者、ボロボロの車も注意。ウインカーが壊れていて、急に車線変更をしてくることも。
johannesburg-life.hatenadiary.jp
④スマホをむやみに出さない
軽く10万円するスマホを見せびらかして歩くのはNG。貧困層の人にとっては、数か月分の家計を助けられる価値があります。
日本のように歩きスマホをする、テーブルに置いておくのも辞めましょう。ショッピングモールの中だって、清掃員、Uber宅配員などいろんな人がいます。
車内で信号待ちなどにスマホをいじる、見せる行為も危険。南アフリカでは、スマッシュ・アンド・グラブといって車の停車中に窓を割って行う強盗も珍しくありません。
あとは、夜のUber(タクシー)待ちも注意。実際に、夜に外でUberを待っている間に強奪された法人被害が数件報告されています。
⑤ジュエリー・腕時計は控えめに
スマホと同じですが、ジュエリーも強奪のターゲットになりやすいかもしれません。
実際よりもお金持ちに見えてしまい、悪い人たちのターゲットにされたら嫌ですよね。
ダメ!というわけではありませんが、本物の宝石や高級時計などはつけない方が安全です。現地のママ友も、日常の時計は安いのをしていると言っていました。
⑥スケジュールを明かさない
ヨハネスブルグでは空き巣被害も報告されています。
信頼のあるメイドさん、ナニーさんにもスケジュールは明かさない方が良いでしょう。
彼ら自体が悪いことをしないとしても、情報を売られたら困ります。
メイドさんもナニーさんも悪い人はいないと信じたいですが、「お金があまりない」という事実、「お金がないときには、人は悪いことを衝動的にしてしまうかも」ということを知っておきましょう。
johannesburg-life.hatenadiary.jp
➆車の中にバッグ・子どもを放置しない
ほんの5分でも車から離れるなら、バッグや子供を車内に放置するのは危険。
もしこの状況で盗られたら、この国なら「甘かったね」という感度かも。バッグを置いておくなら、トランクにいれましょう。金目のものが入っていなくても、悪い人のターゲットにされ窓を割られたら嫌ですよね。
子どもの誘拐はこの国でとても問題になっているので、子どもの放置も絶対にダメ。
⑧警察を信用しない
日本では警察は「正義」で「味方」かもしれませんが、南アフリカではそんなことはありません。(他にもそういう国がありますね)
平気で嘘をつき、不当にお金をもらおうとする警察も珍しくありません。特にアジア人は弱そうですし、英語も完璧でないのでターゲットになりやすいでしょう。
また、偽警察による事件も発生しています。日本のように警察手帳を見せてくるわけではないので、本当に警察か、それっぽい格好をしているだけか判断がつきません。
警察だけれど、「本当のことを言っているのか」「そもそも本物なのか」常に疑ってかかる必要があります。
⑨泥酔しない
泥酔して道で寝ていても死なない、財布もなくならない国には、日本くらいかもしれません。南アフリカでは、観光地であっても酔っぱらい過ぎは危険です。悪い人たちにとって、アジア人×酔っぱらいは、かなりちょろいことが想像できますよね。
お酒を飲んでUberに乗ることもあると思いますが、ますが、泥酔しないように。日本のようにタクシーで寝てしまうのも、安全ではありません。
⑩安全はお金で買う意識を持つ
安全に暮らすためには、住む場所や通う学校などの選択も重要です。少し安い家には、安全面で問題があることもあります。(集合住宅は角だけは安かったりします。万が一ゲートを乗り越えられたら即ターゲットになるでしょう)
また、Uber(タクシー)も少し高いけれど“プレミアム”を頼むのがおすすめです。特に女性だけの場合は。
路駐した場合は、ガードしている方にチップをしっかり払うことも大事だなと感じています。とにかく安全=お金を払う意識を持って暮らしています。
南アフリカ・ヨハネスブルグの治安は対策が大事!
今回は南アフリカ・ヨハネスブルグの治安と駐在妻が気をつけるべきことを、在住者の目線でお伝えしました。
南アフリカ・ヨハネスブルグは犯罪率が高く治安が悪いと言えますが、都市部は近代的でクリーンな印象です。暮らしやすいですし、素敵なカフェやレストランもたくさんあります。女性一人でも、車でどんどん出かけています。
ただ、日本では考えられないほど貧富の差が存在し、そのせいで「誰がいつ悪いことをするか分からない」状況であることを把握しておくと良いでしょう。
安全に暮らせば、ヨハネスブルグ駐在生活はとても楽しいです!
↓ランキングに参加しています